アロマラント通信20151o月号


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4 ドイツ雑感(1): 自動車の色

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ドイツ雑感(1): 自動車の色


筆者がベルリン暮しをしていたのは25年以上昔、未だ統一前の事ですから今では事情も異なっているでしょうが、たやすくは変化しない国民性や文化の型についての話題を拾いながら書き進めます。元々筆者は仏文科の出身で30代初めの1年半を言葉の勉強にかこつけてパリでのらくら過ごした経験が有ります。それでドイツの話をするとどうしても独仏比較論じみてしまいますが、ドイツで暮した日本人はドイツびいきに成りがちであり、フランス暮らしの経験者はフランス応援団になる人が多いので、両方を比べられれば視点も公平に保てて良かろうと考えています。


西ベルリンで暮し始めて最初に驚いたのは自動車の色が、絵の具箱をぶちまけた様だと言いますが、東京ともパリとも違う変な色が多く、この国の人間は色彩感覚音痴かと思わせる滅茶苦茶振りでした。タクシーなどの商用車を除いて日本での車の色は「色の無い色」とでも言いますか、白からダークグレーにかけての諧調を踏んだ目立たないグレー系統が殆どです。事情はパリでもほぼ同じでした。

ところがベルリンの自動車は、勿論主流は日本風のグレー基調の色ですが、雨蛙色の緑やら、カレー粉色の黄色やら、唐辛子色の真っ赤っかとか、極めつけはスカイブルーでこんな色の自家用車など日本では考えられません。それもベージュとのツートンカラーです。この様に趣味の悪い色が珍しくないのでした。どうしてドイツ人は色彩の趣味が悪いのだろう、と不思議でした。

追々判って来るのですが、悪いのは色彩趣味だけでなく、絵画一般、絵の趣味が悪い。勿論私から見ての話です。但しここで気をつけたいのは、趣味の善し悪しと美術としての価値の有無が別物だということです。版画の方で有名な女流作家ケート・コルヴィッツやドイツ表現派のキルヒナーなどは趣味の悪い、或は怪異な絵を描いて高い評価を得ています。


今から思えば、ドイツ暮らしに馴れていない頃の第一印象ですので、どうしてもフランスびいきの日本人の目で欠点と思われる事柄が目立ったのでしょう。 -つづく-

(深谷)

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