アロマラント通信20169月号


1. 記事:Fichtennadel フィヒテ (Abies sibirica)                                         雪江 奈津代

2 ドイツ雑感(9)ドイツの食事文化

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1 記事

樹木系精油①

Fichtennadel フィヒテ

(Picea abies)

          IFA認定アロマセラピスト・ITECアロマセラピスト  

          雪江奈津代

 

今回は、樹木系の精油フィヒテについて紹介します。アロマラントドイツは樹木系の精油が豊富で品質もとても良いのが特徴です。あまり知られていない樹木系精油の魅力を少しずつ紹介していきます。

 

まず、樹木系の精油というと何を皆さんはよく使われますか?サンダルウッド、シダーウッド、ローズウッド…、実際に使う精油はこれらが多いのではないでしょうか。

アロマテラピースクールなどで学習する基本精油にフィヒテは入っていませんので、やはり認知度は低いようです。わたしもIFA認定校で10年以上教えていますが、樹木系でも木部から抽出される精油は少なく、実際に使用する種類は限られています。テキストで学んでいない精油はなかなか手を出しにくいですよね。

成分はどうなのかも気になりますし、実際の使用例やその結果などが少ないのも、チャレンジが遠のく原因かもしれません。皆さんにとって、新しい精油との出会いのきっかけになれば嬉しいです。

 

【フィヒテの基本情報】

このフィヒテは、ドイツ唐檜とよばれ、別名ヨーロッパ唐檜、英名はNorway spruceといいます。

ドイツの黒い森、シュバルツヴァルトの主要樹木としても有名です。

ドイツ国内で一番多く見られる針葉樹で人工林のほとんどはこのフィヒテです。

ヨーロッパからシベリアにかけて広く分布しています。アロマラントのフィヒテは学名が「Picea abies」、Piceaはトウヒ属を表し、abiesはその単語だけで解釈するとモミ属になりますが、この場合はPicea abiesなので、属名ではなく種名を表しています。例えば、Abies albaといえばモミ属のヨーロッパモミということになり、albaは「白い」という意味からついています。

ちなみに、学名の記述としての基本ですが、属名は頭が大文字、種名は小文字で表します。

学名をよく見てみるととても面白いですね。

 

【香りの特徴】

バルサム調、スパイシーでフレッシュ。

 

【効果の特徴】

森を歩くとモミの木の葉や木の香りによって呼吸が楽になるのはご存知と思いますが、これと同じような作用がフィヒテの精油で得られます。空気清浄効果はもちろん、気管系(呼吸)を楽にします。心に対しても、神経疲労・苛立ち・ストレスによる様々な症状に対して効果があります。

 

【芳香剤として】

人が沢山集まるようなところ(駅・教室など)の空気を浄化する作用があります。さらに、否定的な人生観を前向きに転換します。催淫作用もあるといわれています。

 

【ブレンドの相性が良い精油】

ユーカリ・タイム・ラベンダー・ライムなど

(サンダルウッド・ジャスミン・イランイランとブレンドすると催淫作用に対してより効果的です)

 

【使い方】

芳香浴…大勢が集まる場で使うと、空気清浄効果があります。また病人のいる部屋にもお勧めです。

フィヒテ10滴とユーカリ2滴をブレンドしてアロマバーナーやエアーフレッシュナーに。

 

吸入…風邪やインフルエンザの場合、以下の通りに使用をお勧めします。

フィヒテ2滴とタイム2滴とラベンダー1滴、ユーカリ4滴をブレンドし、このブレンド精油をハンカチに数滴ほど垂らし、鼻から吸入します。または、8~10滴このブレンド精油を大匙一杯の塩やミルクや蜂蜜などの乳化剤を2Lの熱いお湯に混ぜて溶かします。タオルに浸して頭から蒸しタオルのように被り、呼吸してください。

 

【まとめ】

成分的にはどうでしょうか。柑橘系精油の代表成分であり肝臓強壮・腎機能刺激・鎮静作用のあるリモネン、森林の中に多く含まれており自律神経を安定させたり去痰作用のあるピネン、胆汁分泌作用や解毒作用のあるボルネオール、エステル類の酢酸ボルネルが主要成分です。成分的にみても、様々な場面で活躍しそうな精油ということがわかります。ドイツ式ロウリュ(アウフグースAUFGUSS)でもこのフィヒテは大変人気だそうです!免疫力を上げるためにも日常的にとても身近な精油といえるでしょう。まずはお部屋の中を清浄に、芳香浴から使ってみましょう。

 

 

次回は、Latschenkieferハイマツをご紹介します。

 

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ドイツ雑感(9)ドイツの食事文化

 

ドイツもヨーロッパの一国ですから、食事文化は他の欧州諸国¥国と似たり寄ったりです。筆者のいたベルリンを例に取れば、朝食は握りこぶし大の白パンのブロートヒェン、飲み物としてカフェまたは紅茶、ソーセージや卵料理と、フランスの朝食よりは賑やかだった気がします。

昼食は伝統的に一番大事な食事で温かい料理が供されます。パンは食べずに皮付きのまま塩茹でにしたジャガイモを食べます。現在では、ワンプレートの料理でサラダや温野菜やデザートまでもワンプレートに盛り付けられます。

夕食は、火を使わない冷たい食事です。パンとソーセージやハム、チーズ、ビールか紅茶、仕事から帰ってきた主婦にとっては随分と楽な食事の支度になります。こういうスタイルが定着したのは、第一次大戦の後らしい。男性が兵役で取られていって、女性が工場で働くので、疲れて帰って来る女性に夕食の支度の手間を省くため、こうなったということです。

 

盛り付けは、昔はテーブルの中央に料理をデンと置いて、各人の前の空のお皿にテーブルで盛り付けていました。今は、台所で主婦が予め盛ったものをテーブルに持って行きます。昔は、それぞれの食べる分量を決めるのは家長の権限でした。食料が少なかったので、家族各人の働き具合に応じて報いたのです。その権限が今では男性から主婦にうつり、クリスマスなどの儀式的な食事場面以外は、台所で盛り付けることがほとんどです。

 

また、朝食に白パンのブロートヒェンが出されるようになったのは、20世紀に入って生活が豊かになったあとのことです。それまで庶民階層ではライ麦を焼いた黒パンが主流でした。

 

ドイツの味の特徴は幾つか有りますが、その一つは粘り気の有るものがすきな点です。

例えばこジャガイモ団子のクロースは、日本の串団子のようにモチモチしていますが、こういったものも食べるのがドイツの特徴です。フランスやイタリアはこのモチモチ感をあまり好みません。

また、堅い肉を前日から酢漬けにして柔らかく食べるザワーブラーテン(酸っぱみのある肉のフライパン焼き)は、フランス人も日本人もみんな苦手でした。

豚肉料理はブラーテン(フライパン焼き)が基本で、煮込んだりなどはせず、焼くのが好みです。その焼いた肉に様々なソースをつけます。きのこソースや猟師のソースなど、名前こそ色々あり見た目は違っても味はみな似たり寄ったりの茶色いソースです。ソースはフランに比べ未発達と言ってよいでしょう。

 

筆者は、ドイツ人を招待したときには、とんかつとカニクリームコロッケをよく作りましたが、大好評でした。

 

ドイツ人自身は、自分たちの料理がたいしたことが無いことを知っています。が、評価向上ための努力をするので可愛げがあり将来性があります。この点が自分たちの料理は世界一と思い込んで何の努力もしない英国人との差です。

 

(深谷)

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