ウインナ・シュニッツェル:Wiener Schnitzel

オーストリアと聞いて何を連想なさいますか?カンガルーはオーストラリアですからお間違えの無いように!

オーストリアの国語はドイツ語です。ドイツ語名称ではエスターライヒOesterreich。
Oesterエスターは東で英語のeastと同根。東にあるゲルマン国家なのでこう呼ばれます。Reichライヒは国を意味する多少古めかしい言葉です。帝国と訳されることも多い。つまり東方の国。一方オーストラリアはラテン語の南を意味する austral から生まれた名称ですから一旦語形と意味を覚えれば間違えっこありません。

ウイーン、シューベルト、ウインナワルツそれと最近ではクリムトやエゴンシーレといった近代の画家。といった具合に文化面でのつながりが中心で政治経済の関係はまず新聞テレビに載りません。
ですからこの連載も文化面それと多少の歴史の話が中心で生臭い金儲け話は出てきませんので悪しからず。

それで第一回目ですので皆さんお好きなグルメの話からにしました。
オーストリア料理といって何が思い浮かぶでしょうか。私はウイーンへは数回行っている人間ですが、それでもたった一つしか頭に浮かびません。それがヴィーナーシュニッツェルです。ヴィーナーはウイーンのを現す形容詞。シュニッツェルは薄切り肉ですからまとめてウイーン風カツレツ。仔牛肉を叩いて薄く伸ばしパン粉を付けてフライパンに薄く油をひき焼いた料理です。日本のビフカツに似ています。パン粉が日本風の粗いものでなく細かい目のものを使うことと揚げるのではなく炒めるに近い加熱方法を採る点が違います。

やはりパン粉をまぶすのなら脂っこく味が淡白でどんなソースにも合う豚肉のが良いですね。ビフカツの味にはなかなか馴染めません。ウイーンではソース抜きでレモンが付いてくるだけでした。あっさりした味です。
イタリア料理のミラノ風仔牛肉 エスカロップミラネーゼ が元になっているとのことで、それでドイツ料理に似合わない淡白感が理解できます。
日本でもビフカツは食べられますし、トンカツに比べて完成度が低い気がしますので、ウイーンに出かけてまで味を試すことはないと思いました。
初めっから否定的な内容になってしまい済みません。次回は私の好物を載せます。(深谷)