じゃがいも団子と古パン団子:Kartoffelkloesse und Semmelknoedel

食卓にはメインディッシュの他にサラダや付け合わせが載っています。付け合わせは量が少なければ主菜のお皿に載せられますし、多ければ別の容器に入れられます。これをバイラーゲBeilageと言います。代表的なのにザウアークラウトやピクルス、オリーブの油漬けがあります。

オーストリア料理は南ドイツ料理と同系統ですから独特なバイラーゲも一緒のことが多いのです。団子の付け合わせを紹介します。材料はジャガイモと硬くなった数日前のパンの残り。地方ごとにいろいろ作りかたがあります。
ジャガイモは塩茹でし皮を剥きます。こし器にかける地方もあります。生のジャガイモを摩り下ろして加える地方もあります。多いところでは茹でジャガと生摩り下ろしの割合いは半々にまでなるそうです。小麦粉や生卵を加える土地もあります。共通なのは団子に丸めて塩茹でにしてお湯の表面に浮いてきたら上げてザルで水切りをして器に盛ることでしょう。英語ではGerman Potato Dumpling。




ジャガイモの代わりに古いパンの残りをバラして鶏卵やバターや小麦粉などをつなぎに使うのがゼンメルクネーデルです。ゼンメルとは南ドイツ方言で朝食用小型丸パンのことで、標準ドイツ語ならブレートヒェンと言うところです。
材料を鍋に入れて粘り気が出るまで利き手で捏ね回すのが力仕事で、お父さんに頼む家庭が多いようです。粘り気を増すためにラードや刻みベーコンも使われます。主婦の工夫次第ですね。

両方ともモチモチした食感で日本人には馴染みがありますから好まれています。草餅や柏餅と同じです。逆にモチモチ食感に馴染みのない英仏人には不評だと聞きました。ソースを使った肉料理に合います。
懐かしいドイツ・オーストリアの味なのでどこか東京のドイツレストランで提供している所はないかと思い目下探しています。  (深谷)