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3 ドイツ雑感(6)開墾でできたヨーロッパの風景

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緑のパワー 植物の威力    藤村和佳


木々や花々が活気溢れる季節がやってきました。桜前線到来。春を彩る桜の花の華やかさにも心を奪われますが、その後に訪れる緑の眩しさに、より一層の幸福感を覚え、自然への畏敬と生きていることへの喜びを実感せずにはいられない私です。


緑という色彩そのものが、すべての背景とマッチし、何故このように美しいのか。まさに天からの恵みです。


数年前、幸運にもこの緑の美しい季節に、友人に誘われて、アロマラントの故郷でもあり私の最も好きな地でもあるドイツを訪れることができました。

ミュンヘンから始まり、ベンツの街シュトゥトゥガルト、大聖堂のあるマインツを経て、薬草学の母と言われ、現代のアロマテラピー、ハーブ療法などの自然療法の礎を築いた中世の修道女ヒルデガルト フォン ビンゲンゆかりの地であるビンゲンへ。さらにそのライン川対岸のワインでも知られ、彼女の設立した修道院と聖櫃のあるリューデスハイムを巡る五日間の旅です。


ヒルデガルトの偉業に思いをはせながら、列車の窓から眺めた、森や畑 小川や草原の美しさ。家々の庭を鮮やかに咲き彩るバラの花々。それらの風景が心に鮮明に刻まれ、この体験は、生涯の貴重な宝物となりました。


さて、植物への視覚による癒しについて語らせていだだきましたが、何よりも威力を発揮するのはその香りです。香の元となる香成分は、分子が小さいため、鼻の粘膜や皮膚に容易に浸透し 私たちの体全体に作用します。沢山の香がありますが、アロマテラピーの世界では心地よいと感じる香りが、体がもとめている香といわれています。体調や気分により香りの好みに変化がでてくるとも言ってよいでしょう。

また、さまざまな芳香成分が混ざりあう事でそれぞれの香りの効果がより高まるともいわれています。相乗効果といわれるものです。


香りをより一層楽しんでいただくために、また、心と体の健康を維持するために、精油を数本揃えてブレンドし、ご自身だけのオリジナルな香りを創作してみるのもよいでしょう。日々の生活に活気を与えてください。


アロマラントは沢山の香りを揃えています。皆様のアロマライフに大いにお役立ちますことを願っております。


ご使用方法など、何かご質問などございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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ドイツ雑感(6)開墾でできたヨーロッパの風景


ローマ帝国が滅んだ頃のヨーロッパは大森林地帯でした。ドイツは良く森の多い国と言われますがほぼ全てが植林による二次林で自然林は残っていません。有名な黒い森(シュヴァルツヴァルト)も植林により甦った人工林です。

日本に残る自然林は奈良の春日大社の御神域とか伊勢神宮の御神域とかの神道に護られて来たが故の千古斧を入れずの森ですから、神道のないヨーロッパに自然や森への畏れが有る筈も無く、森林伐採に何の心理的抵抗も有りませんでした。もっとも最近のエコブームと軌を一にしてケルト風ドルイド教を復活させようと試みる若い人が出ていますが、一旦一神教になった民族が古い多神教に戻った例は無く難しいでしょう。アロマラントチームの長谷川弘江さんがイタリアでドルイド教の秋分祭りを見学したそうで話が聞きたいものです。


帝国末期の景観は地中海沿いの南欧は畑、ロワール川を越えた中部北部フランスからドイツにかけては森林でした。森林伐採開墾事業が森に阻まれた格好ですが、たとえ開墾したとしても畑として使えなかったのです。これは土壌成分の差で、北方の養分の多い粘土質の土壌は重く、馬一頭から二頭に引かせる地中海型の無輪犂(むりんすき)では土を鋤き返せませんでした。

この難点は馬四頭~八頭を縦二列に繋ぐ車輪付の大型犂が普及して解決されました。12世紀のことです。ヨーロッパで低いところを飛ぶ小型飛行機に乗って地上を見ると日本との違いに驚かされます。百メートルを超えるかと思われる畝が何十本も整然と並んでいます。これは方形の碁盤目を拡大した様な日本や南アジアの水田風景とはまるで異なります。ウイーンからパリへ向かう飛行機の窓越しに畝が帯の様に長細く伸びている田園風景を見て、学校で習ったのは嘘ではなかった、と妙なことに感動した経験があります。


馬に引かせる大型の有輪犂を手にして、果敢に森に分け入り開墾事業を進めたのはカトリックの修道会でした。当時の主流は俗世間との絆を絶ちひたすら祈りと労働に身を捧げるベネディクト会のスタイルでした。聖女ヒルデガルト・フォン・ビンゲンも女子ベネディクト会だった筈です。

ベネディクト会の一派であるシトー会の開墾実績はとりわけ有名です。中北部フランスの森に穴を開け、豊かな小麦畑に変えたのは主にシトー会の修道士でした。この開墾事業は13世紀には一応完結し、お陰でフランスは欧州一の豊かな国になりました。


20世紀フランスの詩人シャルル・ペギーの『シャルトルのノートルダムへのボース平野の奉献』という詩のの冒頭を読んで見ましょう。岩波文庫、安藤元雄氏の訳です。


海の星よ ここに重い一面の野づらがあり

小麦の底知れぬうねりとわだつみがあり

揺れ動く泡と われらの満ち足りた納屋があります。

ここにこの広大な祭服へのあなたのまなざしがあり


海の星とは聖母マリアのことで、風に波打つ小麦畑を海の波に例えてあります。中世ゴシック建築の傑作シャルトル大聖堂は青いステンドグラスで有名ですが、遠景は麦穂の海に浮かぶ帆船に見えます。


ドイツにシトー会が無かったのは皇帝の警察力が弱く、せっかく開墾しても田舎領主に横取りされてしまうからでした。フランス国王の国内支配力に比べドイツ皇帝のそれは貧弱でしたから修道会を保護できず、それにドイツには反ローマ、反教皇の性格がもともと有ったのです。

(深谷)

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